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窓のアノマリー

アノマリーとは、なぜそうなるか良く分からないけれども、特定の場合に為替レートが特定の方向に動きやすい現象をいいます。そして、アノマリーには実に様々な種類があります。今回、アノマリーの一つ「窓」について検証していきます。

窓のアノマリーは正しいでしょうか。それとも、単なる噂でしょうか。

窓とは

では、FXの世界でいう「窓(英語ではgap)」とは何でしょうか。図で確認しましょう。

下の図では、左から右に時間が流れています。左側にある点Aは、金曜日の終値です。すなわち、週足の終値でもあります。そして、土曜日・日曜日が経過して月曜日が始まります。点Bがスタートです。これは月曜日始値であり、週足の始値でもあります。



点Aと点Bの為替レートに差があるとき、窓と言います。あるいは、この窓の大きさを窓という場合もあります。

そして、アノマリーでは、「窓は埋まる」と言われます。すなわち、上の図では、点Bから始まった為替レートは、円安方向に進み、点Aと同じかそれ以上になるということです。今週の値動きによって、為替レートが先週終値と同じ位置まで移動することを「窓が埋まる」と言います。

窓は埋まるだろうか

さて、窓とは何かを確認しました。そして、実際に窓が埋まるかどうかを確認するのは、さほど難しいことではありません。と言いますのは、日足四本値(始値・高値・安値・終値)のデータをエクセルにダウンロードして調べるだけだからです。

しかし、実際に調べようとすると、ふと手が止まります。上で確認した内容では、調べるのが難しいからです。

問題1:金曜日終値と月曜日始値の差は何銭あればいいの?

金曜日終値と月曜日始値の差が0.1銭でもあれば窓だとするならば、毎週のように窓ができるでしょう。そして、0.1銭の窓は瞬時に埋まるでしょう。それはアノマリーでも何でもない「ごく普通のこと」ではないでしょうか。

そこで、窓の大きさ毎にひとつずつ確認していく必要があります。例えば、窓の大きさが10銭以上のとき、窓が埋まる確率は?…そして、20銭、30銭という具合です。あるいは、銭でなくて%で区別しても良いでしょう。

窓の大きさが、先週終値から0.10%以上離れている場合、0.15%以上の場合…といった具合です。

問題2:月曜日始値は、金曜日終値と比べて円高?それとも円安?

月曜日の始値が、金曜日終値よりも円安で始まる場合、あるいは円高で始まる場合。それぞれで窓が埋まる確率は違うでしょうか。これは、区別して確かめないとどうしようもありません。

問題3:通貨ペア

つい、米ドル/円(USD/JPY)を中心に考えがちかもしれません。しかし、一般的に取引可能な通貨ペアは数十もあります。どれでも同じような傾向があるでしょうか。それとも、違うでしょうか。

問題4:日数(時間)

窓が埋まるために必要な時間はどうしましょうか。1営業日で埋まる場合もあれば、1か月経過してようやく埋まる場合もあるでしょう。様々なパターンについて検証する必要があるでしょう。

このように検討していくと、窓だけで分析書籍を一冊書けそうな感じになります。「窓は埋まる」という一言で片づけるのは難しい案件だと分かります。


窓が埋まるかどうか、検証した結果

以上の通り、本格的に検証すると、必要なバックテストが膨大になります。そこで、ここでは以下の条件で検証した結果をご案内しましょう。


・検証の条件:
期間   :2006年1月1日〜2016年12月31日(11年間)
データ  :「くりっく365」の公開データ
通貨ペア :米ドル/円(USD/JPY)
窓の大きさ:今週始値の値が、先週終値±0.1%以上ある場合に「窓ができた」と判定します。それ以下の場合は、窓はできなかったとします。
判定   :取引開始後、1営業日以内に窓が埋まるかどうかを検証します。
スプレッド:早朝取引を含むので、1銭としました。



調査期間は11年間です。これだけ長期間ならば、分析結果に一定の信頼を置けるでしょう。

分析の結果、以下の通りでした。

窓が埋まる確率:77%

かなり大きい数字です。窓が10回できたとして、それが埋まる方向に取引した場合、7回〜8回くらい利食いできたという結果です。すなわち、「月曜日の窓は埋まる」というアノマリーは正しかったと考えて良いでしょう。


ただし、確率は100%ではありません。これが問題です。上の検証では、「1営業日以内」に窓が埋まる確率を計測しています。よって、例えば1週間以内に埋まればOK、2週間以内に埋まればOKという具合に期間を長くすれば、確率をどんどん上げることができるでしょう。


しかし、100%にはならないでしょう。99勝1敗でも破産しうるのが相場です。そこで、いかにして損失を抑えるかが勝負となります。この損失の抑え方は、十人十色でしょう。こうしなければならないという方法はありませんので、皆様ご自身で考察してみましょう。


あるいは、窓が埋まるまで無理に待つ必要はありません。デイトレードで今回の性質を利用できます。すなわち、窓ができたら、窓が埋まる方向に意識を向けながらデイトレードすることも可能でしょう。



簡単に見える「窓」ですが、実はとても奥行きの深い話だということが分かります。


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